2009年06月18日


768 光 ◆lWKWoo9iYU sage 2009/06/18(木) 00:47:18 ID:j0e1jDQW0
久しぶりに来た親父の墓は土埃で汚れていた。
俺は予め用意していた掃除用具を取り出し、念入りに親父の墓を磨いた。
「家族を助けてくれて、ありがとう。守ってくれて、ありがとう」
そんな気持ちを込めて念入りに磨いた。
母も姉も必死に墓を磨く俺を眺めて、何故そんなに一生懸命に磨くのかと
不思議そうにしていた。
俺は母と姉の二人にも掃除道具を渡し、墓磨きに協力してもらった。
心なしか、親父の笑い声が聞こえた気がした。
その後、俺たちは家族でレストランに入った。
久しぶりの家族団欒だった。
食後に俺はトイレに入った。入り口を開け、トイレの中に入る。
そこは、ビルの屋上だった。
驚いた俺は周囲を見渡す。
俺の視線の先には、あの騒動の本丸の男がフェンスに寄りかかりながら
タバコを咥えていた。
「よお」
気軽な挨拶をすると男は俺に近づく。
「俺に近付くんじゃねぇ!!」
俺は怒鳴った。
「はは、怖いねぇ。そんなに怒鳴るなよ。なにも危害を加える気はねぇよ」
男は尚も俺に近づく。
「なんのつもりだ!?いったい、何しに来た!?」
怒鳴る俺を無視して男は俺の眼前に立つと、思いがけない言葉を発した。
「事の顛末を知りたくないか?」

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posted by _ at 21:30| Comment(0) | ◆lWKWoo9iYU | 更新情報をチェックする
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