2006年01月29日

記憶を追ってくる女(姉妹シリーズ)

524 本当にあった怖い名無し sage 2006/01/29(日) 22:01:53 ID:AqttN5ndO
語り部というのは得難い才能だと思う。彼らが話し始めると、それまで見てきた世界が別のものになる。
例えば、俺などが同じように話しても、語り部のように人々を怖がらせたり楽しませたりはできないだろう。
俺より五歳上の従姉妹にも語り部の資格があった。従姉妹は手を変え品を変え様々な話をしてくれた。俺にとってそれは非日常的な娯楽だった。
今はもうそれを聞けなくなってしまったけれど。
従姉妹のようには上手くはできないが、これから話すのは彼女から聞いた中でもっとも印象に残っているうちのひとつ。

中学三年の初夏、従姉妹は力無く抜け殻同然になっていた。
普段は俺が催促せずとも、心霊スポットや怪しげな場所に連れて行ってくれるのだが、その頃は頼んでも気のない返事をするだけだった。
俺が新しく仕入れて来た話も、おざなりに聞き流すばかり。顔色は悪く、目の下には隈ができていた。
ある日理由を訊ねた俺に、従姉妹はこんな話をしてくれた。

春頃から、従姉妹は頻繁にある夢を見るようになった。
それは夢というより記憶で、幼い頃の従姉妹が、その当時よく通っていた公園の砂場でひとり遊ぶ光景を見るのだった。
やがて何度も夢を見るうちにひとりではないことに気づいた。砂場から目線を上げると、そこに女が立っている。
淡いピンクの服を着た、黒いロングヘアの女が従姉妹を見つめ立っていた。

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ラベル:従姉妹
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つかない筈のテレビ


512 本当にあった怖い名無し sage 2006/01/29(日) 20:51:52 ID:AqttN5ndO
電話やテレビ、ラジオなど所謂メディアにまつわる怪談は多い。その殆どが、どこかに繋がってしまうというパターンを踏襲している。
便利さの反面、直接的ではない伝達に人間は恐怖心を抱くのだろうか。今から話すのもそれに類似したありふれた体験のひとつ。

中学二年の夏休み、心霊ツアーと称し五歳上の従姉妹と他県まで遠征した。
目的地は某県にある公営団地の廃墟。これはかなり有名な場所で、仮に心霊スポットではなくとも廃墟好きの俺にはたまらないものがあった。

到着したのはまだ陽のあるうちだった。立ち並ぶ無人の団地とそこかしこに残る生活の痕跡は、確かに噂通りの偉容だった。
草が伸び放題の空き地にぽつんと置かれた三輪車、錆びた鉄製のドア、引き出しに衣類がしまわれたままのタンス。そして周囲は緑深い山々。
団地全体が、本来あるべきではない違和感を放っていた。

何となく腰が引けてしまった俺とは対照的に、従姉妹は次から次へ無遠慮に見回っていた。
オカルト好きで変わり者のこの従姉妹は、普段は何を考えているのか分からなかったがこういうときは頼もしかった。

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ラベル:従姉妹
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